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水痘、みずぼうそう VARICELLA

周囲は淡紅色で中心に水疱を持つ発疹です。出始めて半日くらいですがすでに一部中央が潰れてお臍のように陥凹しています。もう少したつと茶色くかさぶたになったのやら、新たに出てきたのやら入り混じり賑やかになってきます。

有髪部、粘膜部分(口の中や、陰部などです)にも出るのも特徴的です。

今はこのウイルスに直接効く薬(アシクロビル)を効果的に使うことによって発症を抑制したり軽くすませることが出来るようになりましたが重症化しやすい年長児、成人はワクチンを受けておくべきでしょう。

   
  腸重積症Intussusceptions
何らかの原因で腸管の一部が腸間膜を伴って隣接した腸管の中にめくれ込み血流障害を起こし、出血、壊死、閉塞、穿孔、腹膜炎などへ進行する緊急治療を要する疾患です。激しい腹痛が間欠的に反復し、強い痛みのため、ショック状態になり、かえってぐったり、静かになってしまい見逃す危険性があります。
写真は、この病気に特有なジャム+ジェリー様血便、嘔吐、激しい涕泣の乳児を診たら、浣腸をして便を確認する必要があります。
最初普通便でも、2度目の浣腸ではじめて血便を呈することもあり、疑ったら時間をおいて浣腸を繰り返す注意深さが大切。
時間が経つと穿孔をきたし予後が悪いですから、この疾患を見落としたら、小児科医として致命的です。冬場、嘔吐下痢症がはやっているときに紛れ込まれると、本当に見逃す危険が高く、この例も1月の夜来院されました。朝から吐いていて、座薬を入れ様子を見ていたそうです。解熱剤にしろ、吐き気止めにしろ、安易な座薬使用は治療を遅らせる危険があります。           
   
黄色葡萄球菌感染症STAPHYLOCOCCAL INFECTION

もともと軽いアトピー性皮膚炎があったのですが、旅行へ連れていった後から急に顔面が発赤し、汁が出始めたといって連れてこられました。培養では黄色葡萄球菌が検出され、皮膚の二次感染を起こしたようです

こうなると皮膚の消毒をして抗生物質の軟膏塗布、さらに全身への波及を防ぐために抗生物質、かゆみ止めの経口投与など強力な治療が必要になります。

この写真は治療開始後2回目にきていただいたときのものですが、右頬を除きだいぶん乾燥してきています。

   
黄色葡萄球菌感染症STAPHYLOCOCCAL INFECTION

このお子さんも基本的には上の写真と同じ病態です。

軽いアトピーがありそこに同じ菌の感染が起こっていました。乳幼児のこういう場所はよだれや食物の汁がついたままになりやすく、口の まわりはよく拭いたつもりでも首の皺あたりを忘れてしまって、そこから感染が起きてしまうのです。

わきの下、足の付け根、すねの裏など赤ちゃんにはスキンケアしにくい皺があることを忘れないように。

   
溶血性連鎖球菌感染症STAPHYLOCOCCAL INFECTION

溶血性連鎖球菌A群による感染症で、年齢によっても違うのですが、多くは発熱、のどの痛み、そして左の写真にみられるような細かい発疹が出てきます。

とりわけのどの所見は小児科医が見れば「あ!溶連菌だな。」とすぐに思わせるような特徴があり、Beefy redと表現される強い発赤,点状出血などがみられ、舌も舌苔がついたりStrawberry tongue,と呼ばれる熟れた苺のような表面になります。

ただ、最近はこうなる前にちょっとしたかぜだろうということで抗生物質が使われ典型的な症状を呈する子が減ってきてむしろ心配です。しっかり治療をしておかないといろいろ合併症があったりするからです。5分くらいで結果が分かる、のどのぬぐい液を使った検査がありますが、抗生物質を服用していると、マイナスにでてしまうこともあるのです。

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