コメント4月に入り感染症はめっきり減少しました。

今年のインフルエンザはA,Bが混在し当地方では1月10日前後から

3月末までだらだらと流行しました。

ワクチンの効果はどうだったのか検証しました。

当クリニックにおける今シーズンのインフルエンザワクチン接種状況

年齢 10−
人数 10 55

上記期間内の55名の状況

内訳 人数 コメント
明らかなインフルエンザ罹患例 1例は父親罹患後に発症、抗体上昇確認、2例は兄弟で同時に発症、残りの2例は接種時期が既に流行シーズンに入っていた。
38,5度以上の発熱があったがインフルエンザを除外できた例 水痘、嘔吐下痢症など明確に他疾患と断定できた。
高熱を伴わない他疾患例 32 インフルエンザが軽く経過したかもしれない例が3例含まれる。
ワクチン接種後来院なし 12 聞き取り調査はしていないので、厳密には不明。

小規模な施設でのきちんとした統計ではありませんのでそんなもんかくらいに

みていただければけっこうです。

ちなみに、この間当クリニックでインフルエンザと診断した

633例の聞き取りではワクチン接種例は上記5例以外ありませんでした。

下表は特養ホームにおける効果比較(稲松:東京都老人医療センター部長)

です。

ウイルス分離、抗体価測定で確認された例のみを対象としているそうです。

  ワクチン接種者 ワクチン非接種者
例数 16 84
平均年齢 77,0 83,8
発症率 25% 58,3%
高熱率 0% 77,6%
死亡者数
抗菌薬使用者数 1(6,3%) 33(39,3%)

小児で脳症を起こした31例の分析では平均年齢3,7歳

神経学的後遺症6例、死亡16例で、不明の2例を除き全例ワクチン非接種

であったと報告されています。(北海道’94〜’97の3シーズン) 

結論として、家庭に乳幼児、高齢者のいる方、受験などを控えている子供さん

などは遅くとも12月中にワクチン接種を終えておくべきかと思います。

(8 APR 99)